金融経済研究所

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レポート

Report No.008

次期連邦準備制度理事会(FRB)議長とジェンダー問題

2012/08/13

 欧米は夏休みムードに入っています。

 アメリカのメディアは次期連邦準備制度理事会(FRB)議長は誰かで賑わっていますが、日本でも報道されているように、指名レースが大詰めを迎えている中で、ベン・バーナンキ議長の後任の候補は、ローレンス・サマーズ元国家経済会議(NEC)委員長とジャネット・イエレン連邦準備制度副議長の二人に絞られてきたようです。ふたりとも甲乙つけがたい立派なアカデミック・バックグラウンドとキャリアを持っていますが、違いは男性か女性かくらい。もしオバマ大統領がイエレン候補を指名しなかったらジェンダー・アンダートーンズ(gender undertones)と非難されるかもしれないという雰囲気になっています。一方、サマーズ候補はシティ・グループのコンサルタントをやっていたということで指名から外されるかもいれないという噂が流布しています。

 大統領が指名するに当たり、一番気にするのは有権者の反応。指名の後は上院の承認が必要ですから。前回、バーナンキ議長再任の際は上院投票では第一回目の審議打ち切り投票(クロ―チャー)で最低必要票数60票を僅か17票上回るだけの僅差で、辛うじて承認されました。最終投票は70対30で、18の共和党議員、11の民主党議員、1人の無所属議員が反対に回りました。これだけ沢山の反対票が投じられたのは、FRB始まって以来の出来事でした。
 人種差別の問題はオバマ大統領を選んで以来、あまり社会の関心を呼ばなくなったものの、性差別の問題はアメリカでは注目を浴びるテーマになっています。ローレンス・サマーズ候補が男女間の能力格差に関する発言でハーバード大学学長をクビになった経緯があります。現在の上院(第113回)は100名の定数の中に女性議員が過去最高の20名含まれています。政党別では民主党52議席、共和党46議席、無所属2議席となっています。

 どうも決まりのような感じがするのですが、オバマ大統領は「大統領執務室で秘密裡に議論を続ける」とCNNのインタービューに応じています。次期議長の指名は早くても九月まではなさそう。
 改善しつつあるとは言え、まだ高い水準の失業率と、景気は回復しつつあるとは言え産業別では斑模様の現況で、成長を確保しながらインフレに警戒してくれる議長が望ましいわけですが、来年末に2期目の任期満了となるバーナンキ議長は、3期目については、態度は示していない。目下、自分の進退よりも、金融政策の正常化を目指す出口戦略に全神経を注いでいるということなのでしょう。

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