金融経済研究所

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レポート

Report No.015

ミャンマー共和国、生産基地と個人消費市場に高い可能性をもつアジア最後のフロンティア

2013/10/22

ウォール街やロンドン・シティの連中は、年末も迫ってきたこともあるせいか、会えば訊かれるのは、次はどこに投資すれば良いのかという話題になる。BRICSの高度成長の時代は終わったという。 この程度の知識は、日本でもメディアに出てくるから目新しいことではない。
彼らは日本のアベノミクスは十分に理解したから、あとは成果を待つだけだと言う。

いろんな金融機関や調査機関も「次のボナンザの地域や国はどこか」と探しまわっている。
世界経済が低迷するといつも起きる行事のようなものである。

英国にBusiness Monitor International(BMI)という調査会社がある。この会社は世界175カ国、21の産業分野を常時調査している会社で、この会社の調査レポートやコンサルタントには世界のフォーチュン500社中400社以上の法人顧客がついている。

この調査機関に拠ると、今から9年先の2022年までの最も高い成長率を期待できる国15カ国にアジアの国が5カ国登場している。ミャンマー、スリランカ、カンボジア、ベトナム、ラオス。依然として東南アジアが成長ボナンザ地域と期待されているが、他地域ではモザンビーク、タンザニア、イラクが、BMIトップ15カ国の中での更に高い経済成長率が見込めると予測している。

もっとも選ばれた15カ国のGDPが世界全体の中で占める比率は10年後でも約3%と予測されており、財政安定や構造改革が前提となっている。その中で最も速やかに法制度、金融市場の整備、インフラ設備計画などを成し遂げつつあるのはミャンマーと言われている。

2011年に軍事政権から民政移管したミャンマーの発展は驚くべきものがあった。
その結果、ミャンマー経済と基幹産業を軸とした海外提携は急速に進展しており、今年6月には、ミャンマ—政府は同国における携帯電話事業ではノルウェーのテレノールとカタールの国営通信会社カタールテレコムの2社に事業免許を与えた。日本からは住友商事・KDDI連合と丸紅・フランステレコム連合が申請したが落選した。6,000万人の人口と識字率90%を超えるミャンマーで、携帯電話事業は世界で最後の巨大未開拓市場ということで、12の事業連合がこの市場参入を狙っていた。

最後のフロンティアと呼ばれるミャンマー市場への参入は十分以上の市場調査と国情の理解が求められる。
この度の携帯電電話市場を外国企業に開放したなかで、カタールテレコムが選抜されたことは予想外であったと言われているが、ミャンマー政府の一筋縄では行かない、強かな外交戦略があったと言われている。

テイン・セイン大統領は2015年の総選挙にアウサンスーチーさんと並んで立候補することになっており、それまでに軍閥出身の現大統領の有意な達名を最大活用して、欧米日各国を歴訪し、ミャンマーへの関心を高めさせながら、資金、技術、企業誘致の実現を総選挙前に大方実現しておく意向が強い。

いろんな金融機関や調査機関が「次のボナンザの地域や国はどこか」と探しまわっている。
世界経済が低迷するといつも起きる行事のようなものである。事業経営者も絶えず市場のフロンティアを求めているわけだが、半世紀前の新興国の経済モデルでは自国の低賃金を梃子にした輸出主導型経済であった。
ミャンマー政府は遅れて参加した新興国レースに急速に追いつくには人口6000万の消費マーケットの開拓も同時に行う政策に関心をもっていることに外国企業*は注目すべきである。

*100円ショップの大創産業は昨年3月ヤンゴンに現地企業とフランチャイズ店1号を開いた。
現在3号店まで増えている。この国での均一価格は1,800チャット(約180円)だが、平均給与が月95米ドルと比較すると安くはない。しかし、日本製品に信頼を置くミャンマー人にはブランド商品として人気を得ている。

内閣府が9日発表した2013年4-6月期の国内総生産(GDP)の改定値は速報値から大きく上方修正された。
年率換算で3.8%増で、8月の速報値から1.2ポイントの上方改定となった。
確かに国民総生産(GDP)の算出は複雑に違いない。速報と確報が大きく違ったのは今回だけではない。

95年から97年、日本の景気は少し改善したので当時の橋本内閣は、97年4~6月から消費税を3%から5%に引き上げました。その後景気が悪化してしまった。GDPの速報値と確報値でマイナスとプラスが入れ替わることは過去良くあることで、三回に一回くらいの割合で逆転しています。

今回は2.6%から3.8%と逆転ではなくて大幅上方修正ということでお目出度いと喜ばねばならないのだが、政府内部では五輪の東京開催決定とGDP上方修正が消費税引き上げに好材料だという意見と決め手にはならないという意見で二分しています。
橋本政権時代の苦い経験や、統計数字の読み方もあり、10月1日の日銀短観を見てから首相決断ということらしい。海外からは、ここで決断しなくては安倍政権は優柔不断と捉える向きが多いということで、日本政府の財政改善は遠のくと観るという意見が多い。

政治経済に限らないが、景気の読みは一寸先は闇、これはいつものこと。最後はリーダーの決断。
間違ったからとて国民から告訴されることはあるまい。あの数字は確報痴だったのかと言われぬこと。

隣国中国のGDPは1兆ドルの水増しが行われていると北京大学経営大学院のクリストファー・ボールディング教授は論文で述べている。 現首相の李克強も2007年地方政府の党書記時代に中国のGDPは信頼していないので、電力消費、鉄道貨物取扱量、銀行融資の3つで景気を判断していたというのは有名な話だ。
経済学博士号をもつ首相が言うのであるから、景気のその見方は正しいに違いない。
自分自身で国が発表する速報の前に景気を判断できる統計データを誰よりも早く見つけることが何の分野で働くにせよ、大切だということになる。

エアーズシー証券金融経済研究所
所長 中澤信雄

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